仕事ゼロの焦燥感が、いつしか僕を『資格マニア』の入り口に立たせていた話
「国家資格」
アカデミック且つソリッドなワードです。何しろ御上のお墨付き、建国二千数百年を誇る我が日本国が認めているということですから。そして不詳わたくしにも、中型自動車第一種運転免許・普通自動二輪車免許・第二種衛生管理者に続く、第四の国家資格が加わりました。4つも持ってるなんてもはや国家公認の上級国民?日本を代表するビジネスマン?いやさ日本のエージェント(代理人)と言っても過言ではないでしょう。
今回は開業後の焦燥感から2つの資格を追加取得した、その顛末です。事業にプラスになったかは置いといて、ポピュラーな資格なので取得しようか悩んでいる方は参考にして下さい。
「お前の価値、どうやって証明すんの?」という残酷な現実
そもそも私は開業前の準備期間に、自身がコンサルする業界固有の資格を1個取得しています。

この資格をホームページに掲載してインバウンドマーケティングを目論んだのですが、これがなんともうんともすんとも。そもそも業界内でも認知度が低い資格とは理解してはいたのですが、世間の風は想像以上に冷たかったです。実際にお話した方からは「この●●●って資格なんなんですか?」って聞かれることは有るんですけどね…。そもそも資格持ってるのは前提条件でしか無くて、わざわざ私に連絡取って仕事任せたいって思える売り(情報)が圧倒的に足りていなかったんでしょう。そもそもの私の能力の問題か?プレゼンの問題か?現状ではその判断すら出来ません。
という事で、私が開業して今改めて痛感するのは「自分の能力が可視化して相手に伝えられない」ということ。
メディアに出てくる今どきのスタートアップの経営者の殆どが一流大学出の大手一流企業出身者ばかりですが、これよく考えると必然なんですよね。初対面の人に新たな取引を申し込む際に、自分の能力や人間性を信用してもらうのにこれほど分かり易い証明の仕方無いですから。逆に私のような学歴も一流企業の職歴もない人間では、何か案件に手を上げたり自分を売り込んだりしても、なかなか興味を持ってもらえません。
こんな事なら子供の頃もっと「アリとキリギリス」を熟読しとけばよかったと、今更悔やんでももう遅い。お子さんいる方は強制的にこの記事30回程読ませたほうが良いですよ。
焦った僕が選んだ「2つの資格」とその選定理由
私は資格を取得する理由って3つ有ると思っています
1.資格を持っていないと出来ないビジネスをしたい
弁護士、医師、運転手とかですね。
2.その資格を持っている事で自分のスキルの証明にしたい
栄養士とかトレーナーの資格とか。業務内容がわかりやすいビジネスですね。
3.単純に知識を習得したい
温泉ソムリエとか野菜ソムリエとか。人によっては2との相乗効果を期待する場合がありますね。
今回の私は2と3のハイブリット。どうせ暇なので多少知見を深めておきたいという思いと、自分を証明するアイテムが弱々なので、(取得して何か仕事に繋がる資格ではないものの)多少なりとも最低限持っている知識の証明になるかなという思いで、取得を決意しました。どうせ仕事無くて暇だから、何もしないよりゃ勉強でもしとくか、程度の動機です。それが下記の2つ、AIの基礎(G検定)と、IT全般の基礎(ITパスポート)の資格です。
【体験談】G検定とITパスポート、実際に取ってみた
日本ディープラーニング協会が認定する「G検定」
今のビジネス、と言うか社会全体で一番の話題、AIに関する資格です。認定しているのは、
一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)https://www.jdla.org/
です。要するにAIのことちょっと知っとこうかなと思った訳です。私の業界的にも色々なツールにAIが使われて始めていますので。もはやデスクワークは勿論あらゆる業界でAIの活用は必須ですし、知ってて損は無いですからね。
このJDLAで認定しているAIの資格はいくつか有るのですが、私がエンジニア向けの資格取ってもしようがない(と言うか絶対取れない)ので、このG検定にしました。簡単に言うと「AIの歴史や基本的な仕組み・運用の仕方を網羅的に理解してます」って資格です。AIを使う側のリテラシーの証明って感じですね。
勉強方法:スキルアップAI
ネット上にG検定の対策サイトやeラーニングを提供している企業がいくつもあります。私はAIに関してはほぼ素人だったので、念の為下記の有料のeラーニングを申し込みました。独学が怖くて…。
スキルアップAI G検定対策AIジェネラリスト基礎講座 https://www.skillupai.com/ai-generalist/
私こういう時急にコンサバ・慎重になるんです。これで一通り勉強した後、ネット上に有る無料のG検定模試テストみたいなサイトを3つ4つ見繕ってひたすら解いていきました。こんだけ勉強したの高校受験以来です。
勉強期間:約1ヶ月ちょっと
短いと思われる方もいるかも知れませんが、こちとら時間だけは有るんでね。そこらの一般人とは1日あたりの勉強時間が違うのですよ!
試験の難易度:ちょっとムズい
齢16、高校入学と同時に一切の勉学にグッバイした私にはちょっと難しかったです。特に微分やら関数、統計やらが必須で出てくるんで(AIって数学であらゆる回答を導き出すんですよ!知ってました?)、もはや分数の計算すら危うい私はちょっと焦りました。まぁ全問題トータルで合格点出しゃいいんですから、諦めも大事です。脳みそのリソース配分を工夫しましょう。
費用:講座9万円+検定料1万2千円
将来の投資とは言え仕事のないフリーランスにはちょっと痛いですね。当然勘定科目「研修費」として経費計上しましたが。
結果:合格
よく考えると、自分でお金出して受けた試験ってバイクの免許以来かも知れません。費用無駄に出来ませんから、そのプレッシャーを糧に合格できました。まぁ70〜80%程度の合格率らしいですし、真面目に勉強すればだれでも合格出来ると思います。それまで漠然としていたAIへの理解もだいぶ深まったとも思います。ツールって、やっぱり技術や仕組み的な事を理解できてないと、本当の意味で使いこなせないですしね。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 が認定する「ITパスポート」
これが冒頭お話した国家資格です。国をあげて国民(特にビジネスマン)のITリテラシーを向上させるのが目的のようです。ITに関する基礎知識を幅広く(経営戦略、IT管理、IT技術)理解することが求められます。認定しているのはこちらです。
独立行政法人 情報処理推進機構 https://www.ipa.go.jp/
どなたか存じ上げませんが、きっと日本のITを進歩させるべく日夜活動されているのでしょう。
ぶっちゃけて言うと、なんでこれ取得しようと思ったのかちょっと記憶が曖昧なのですが、私の業界以外でも何らかコンサル的な立場でお仕事関わる際に、多少なりともプラスになればと思ったんだと思います。多分。あと後述するDX推進パスポートの為でもあります。まぁ要するにあまり深い意味無く取ってます。
勉強方法:独学
だってネットで調べると結構簡単だって出てくるんですもん。って言うか「こんな資格なんの役に立つんだ?」ってちょっとバカにされ気味なんですよね。国家資格に対して失礼な物言いですよねぇ。ともかくこの資格に関しては、過去問やら説明サイトやら沢山の情報がネット上にあるので、それらを駆使してタダで勉強しました。
しかし、結構昔から有る資格で試験内容は常にアップデートしてるようですから、古い情報だけで勉強しないよう要注意です。
勉強期間:約1ヶ月弱
短いと思われる方もいるかも知れませんが、こちとら〜 以下略。
試験の難易度:そうでもない
エンジニア向けじゃないですし、今までの経験上のITリテラシーをベースにすればそんなに難しくありませんでした。企業経営的な内容も出題されるので、これは開業の準備期間に学んだことがだいぶ活かせました。ラッキー。しかしこの辺があまり役に立たない資格と言われる所以でしょうか?
費用:検定料約7千円
これも「研修費」で計上です。
結果:合格
一応合格。G検定はかなり理数系要素が濃いテストですが、こちらはだいぶマイルドで文系の方でも受けやすいんじゃないでしょうか?でも合格率はG検定よりも低い50%程度らしいんですよ。なんでだろう?こっちは学生さんの受験も多いらしいんで、必要にかられて必死に受験する人が少ないのかな?
おまけ
G検定合格後、事務局からの連絡でこんなのが有ると知りました。
DX推進パスポート https://www.dilite.jp/passport
どの程度の権威があるのかわかりませんが、貰える物はもらっときましょう。そしてこれをきっかけにITパスポートの存在を知りました。なので私は2冠王、DX推進パスポート2の所持者です。マッドマックス2みたいでかっこいいですね。
で、10万円の自己投資は回収できたのか?
上記でも書いた通り、この2つの資格取って何か集客にプラスになることって無いです。一応ホームページやSNSにもあげてますが、別にそれ見て仕事が来るわけではありません。なので短期的なメリットはほぼ無いです。まぁもともとの動機が動機でしたしね。
ただ、今後何かの仕事の際にこの資格が何らかプラスになるかも知れませんし、何より曲がりなりにも多少の知識は増えたわけで(特にG検定)、自分の知見の棚卸の為にも取って(勉強して)損は無いと思います。忙しいビジネスパーソンは試験でもないと勉強なんて出来ませんもんね。フリーランスになって時間の有る方は、ぜひ検討してみて下さい。
ではまた次回、お元気で。
資格マニアの気持ちがちょっとだけ分かったかも
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