創業には自己資金を用意しよう

昔の日本ではお金の話をする事ははしたないと思われていたようです。わたしも「武士は食わねど高楊枝」というスタンスには大いに共感するものの、再びこの言葉を書き記します。「無い袖は振れない」。

起業するにあたって「お金をどうするか?」は誰しもが避けて通る事の出来ない問題です。当然いろんなサイトや書籍でも企業の運用資金についての情報・アドバイスがありますが、そもそも事業を行うにはどんな事にお金が必要なのでしょうか?

事業に必要なお金

  • 開業費:事業を始めるのに必要なお金
  • 運用費(ランニングコスト):事業を続ける間、継続して掛かる費用。家賃や原料費人件費等

まぁざっくりこの2つとして、それぞれどのくらいの費用が掛かるかは、事業の内容と規模によってピンキリです。開業からどのくらいで儲かり出すかも正直やってみないと判らないので、どのぐらいで黒字化できるかも何とも言えません。わたしの場合はコンサルタント業なので、

  • 開業費:特別な設備は必要ないので、最小限PC等のツールがあればOK
  • 運用費:原材料費はかからず、基本独りで自宅(と顧客先)での仕事なので、ツールのサブスク費用や交通費、情報収集にかかる費用(業界紙等)

と、どちらも最小限で済みそうでかなり恵まれている方ですが、これが飲食店や小売業であれば、店舗の契約や原材料費人件費などなど、いくらお金があっても不安だと思います。コロナ過での大変さが想像できますね…。そして、これら必要なお金をどうやって用意するか?が大大大問題なのですが、いくつかの方法があります。

事業資金の捻出方法

  • 自己資金:自分のお金
  • 融資:金融機関から借りるお金
  • 補助金・助成金:自治体等が援助してくれる(なんと!くれる)お金
  • ラッキー:謎の紳士がポンっと大金をくれる

融資や助成金に関してはまたの機会に書きたいのですが、今回はこの中の自己資金についてです。結論を言うと、私はひとまず開業費と「運用費+生活費」の6か月分程度(欲を言えば1年)をまかなえるぐらいの自己資金を用意しておこうと思っています。開業から6か月は赤字を覚悟しておくという事です。何故6か月かというと、おおよそ開業から6か月ぐらいの間に、事業を続けられる最低限の数の顧客を獲得できるという、予測(という名の願望)からです。要するに

開業から儲かりだすまでの期間を予測→そこまでにかかる分は、自分の貯金を切り崩す

という考え方です。改めて書いてみると当たり前っちゃ当たり前の事なんですが、当初は「融資や助成金も当てにできるのでは?」と考えていたのです。でも下記の理由により考えを改めました。

開業時の資金に融資や補助金・助成金をあてにできない理由

理由1)融資や助成金は開業してから申し込まなければならない

例外はあるのかもしれませんが、ほとんどは開業後に申請する事になります。という事は開業時には当然まだもらえてません

理由2)融資や助成金は貰うまでに時間が掛かる

これもケースバイケースの様ですが、融資で2~3ヶ月、助成金で半年程度掛かる様です。世の中そうそう都合よくいきません

理由3)融資の審査には自己資金どの程度もってるか?が関係してくる

借金申し込むと考えれば当然のことですが、返せなそうな人にはお金を貸してくれません。融資に対する自己資金額はおおよその基準がある様です。なんにせよ、結局自己資金はある程度必要という事です

理由4)融資や助成金は何に使うかきちんと説明しないといけない

好きなだけ持ってけや!とは言ってくれません。特に助成金の場合、後から実際に申請通りに使ったかを証明しないといけない様です。不安だからとりあえず多めにもらっておこう、とはいきません

理由5)生活費は融資も助成金もおりない

わたしの場合ランニングコストが余り掛からない(はず)なので、生活費があればぶっちゃけ(仕事が無くても)ある程度事業を続けられるのですが、生活費はさすがに助成してもらえません。たしかに生活費の助成って、要は生活保護の事ですもんね。なので生活費の確保は大事です。

理由6)そもそも申請しても希望通り通るか分からない

結局これがあるので、あてにしすぎると痛い目にあいます

もちろん、融資も助成金も非常にありがたい制度なので、開業後に申請するつもりなのですが、上記理由により当初の甘い考えは正し、当面の運用は貯金を切り崩していきます。だからこそなる早やでお客様を見つけて売り上げをあげていかないければいけないと、気合を入れ直しています。今からは贅沢は敵、好きな飲み物は水道水です。ああ、もっと貯金しとけばよかった…。

それではまた次回、お元気で。

今回の結論

捕らぬ狸の皮算用は危険

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