まな板の上の50代。自治体の創業融資、僕がすべてを受け入れた理由

自治体の創業融資に挑む男性が、ライトブルー基調の静かな作業空間で事業計画書に向き合っている様子。机上にはノートPC、法務書類、カレンダー、メモが並び、書類には具体的な文字は描かれていないが、真剣な雰囲気が伝わる構成。
目次

独立して最初にやった仕事、それは「お金を借りること」でした。自治体の創業融資に挑んだ、地味で面倒な2ヶ月半の全記録です

私の親くらいの世代だと、「借金は悪」「クレジットカードは自己破産の入口」なんてイメージ持ってたみたいです。いつもニコニコ現金払いが正義なんですね。しかし今の時代金融リテラシーは人生に必須、如何に効率よく資産形成するかが重要です。尚の事ビジネスでは言わずもがなですね。

当然私も例外ではありません。開業にあたり多少の自己資金はあるにせよ、今後は事業資金と生活費どちらも必要になって来る訳で、わずかな資産ではあっという間に底をついてしまいます。事業計画書通り売上が上がると確定しているのなら別ですが、私の場合コネも顧客も何もないままスタートするカミカゼスタイル。速やかにベン・アフレックに相談し、その足で堺雅人に融資申し込みに行きましょう。

しかし東京中央銀行に口座を持っていない私は、上記の通り信用金庫に口座を開設。その目的の一つが、信用金庫経由で自治体の融資を受けるためでした。今回はその手続の一部始終の記録です。お金を借りるって大変なんだなぁ、と改めて考えさせられる経験でした。

あっせん融資とは?

今回借り入れしたのは、中小企業支援の一環で行っている自治体の事業のうちの一つ、創業融資です。条件が色々有るのですが、要約すると「新たに起業する」「その自治体内で起業する」個人や法人が対象です。独立を考え始めた直後、信用金庫に相談に行った際にこれを紹介され、素直な私は勧められるがまま申し込もうと決めました。その後色々調べてみても、やはり金利的に一番有利でしたしね。

と、申込み時点まで私は漠然と「自治体からお金を借りる」としか考えてなかったのですが、これ正確には自治体がお金を貸してくれるわけではありません。あっせん融資(≒制度融資)と呼ばれる制度なんです。ざっくり言うと、お金自体は金融機関から借りるけど、自治体が金利や保証料ちょっこし負担してくれる、という仕組みです。税金使って負担してくれる訳ですから、当然自治体側の条件も有れば審査も有るって訳です。なので登場人物を整理すると

1.お金貸してくれる人

私の場合信用金庫ですね。

2.保証してくれる人

信用保証協会の保証が入ります。当然保証料がかかります。

3.金利や保証料を援助してくれる素敵な人

自治体です。ありがとう。

4.誰にも頭が上がらない債務者と言う名の何か

私です。

ということになります。ちょっとややこしいんですよね。融資申し込んでも、この辺の仕組みそんなに詳しく説明してくれる関係者も居ないので(それともこんなの常識なの?)、事業融資に詳しくない人はちゃんと把握しときましょう。

【全7ステップ】融資実行までの長く険しい道のり

普通の融資に比べて登場人物が多い分、ちょっと複雑です。いえいえ、お金援助して頂くんですからなんなりとお申し付け下さい、という気持ちで進めましょう。

1.口座の開設とすべての始まり

何はなくとも先ずは口座開設、詳細は上記の信用金庫の記事のとおりです。もともと開設前から融資ありきで相談していたので、特に問題はありません。融資受けるまでは波風立てない様にしましょう。

2.最初の関門。お役所の「事業計画書」チェックでいきなり心が折れかける

ここが一番めんどいです。専用のフォーマットの事業計画書や申込書、納税証明書(不届き者には貸せないらしい)などを提出して審査を受けるんですが、オンライン受付は無し。役所に持参して提出しました。しかも1回では受理されず、事業計画書の内容をちょこちょこ突っ込まれ(主に予算)、書き直しを命じられました。電話で事前に確認してたのに…。

しかもチェックする受付担当の人の予算の仕訳の解釈に、付け焼き刃の知識の私から見ても「それ違うんじゃない?」って事があったりして、ちょっとモヤモヤ。でもここで揉めてもしようがないですし、そもそもあっちはプロですからね。きっと私が間違っているんでしょう…。素直に従って再提出で受理されました。

ここまでで口座開設から3週間ぐらいかな?思ったより手間取りました。まだ申込書受け取ってもらっただけなのに。

3.受理はされたが面談は続く

私の自治体では、申込み受理後指定された指導員の方(中小企業診断士)と面談して、事業計画書のブラッシュアップなどが有るのです。なのでスケジュール決めて面談したり(1回だけでしたが)、計画書再提出したりの作業があります。受付の時に済ませりゃいいじゃん、とは言うまい。

幸いにも担当の方が良い方で、事業内容等は特に突っ込まれず「融資金額こんなんで足りるの?もっと増やせば?」なんて言ってくれたので、予算計画若干修正して(経費増やして=融資希望額増やして)提出しました。この工程も(申込書提出から)3週間ぐらい。これで指導員の方の推薦ももらえました。

4.最初の関門は突破された。あっせん書類受取

上記3から10日ぐらいであっせん書類(紹介状みたいなもの)が発行されます。勿論、役所に直に受け取りに行かなければならないので、受け取りに行きました。小走り且つスキップで。これで自治体の審査はクリアです。いくつになってもどんな事でも、合格の知らせは嬉しいものですね。思わず帰りは一駅前で降りてウォーキングしちゃいました。

5.やっと申し込み。されど審査は続く

あっせん書類を受け取ったらその足で(スキップで)信用金庫に提出し、正式に融資の申込みです。書類等は事前に提出してた(と思う)ので、手続自体はスムーズです。なんでも根回しが大事ですね。因みに提出書類は事業計画書や開業届の控え、身分証など。あと資産(銀行口座とか証券口座)の証明?的なものも提出しました。たしかネットバンクの残高表示のキャプチャーだったと思います。この辺は言われるがまま、まな板の鯉です。

恐らくこのタイミングで信用金庫の審査が行われているのだと思います。まぁ信用金庫には散々相談してましたから、今更NGはないでしょう。多分。

6.保証協会の面談。そして、非情なる「減額」通告

上記申し込みから1ヶ月後ぐらいに、保証協会の担当の方が来宅しての面談がありました。(恐らくですが)個人事業主の場合、審査上ご自宅拝見するよ〜が必須なんだと思われます。上記3の面談同様、経歴やら事業内容やら一通り聞かれましたが特段困る事もなく終了。やっぱり事業計画書ちゃんと作っといて良かった。ありがとうTOKYO創業ステーション。

あ、そう言えば保証協会から追加の書類提出求められました。私が今後事業で使う予定の契約書(コンサルなので準委任契約書)の雛形です。これもすでに作成済みだったので余裕綽々で提出しました。が、何の審査に必要なんですかね?事業の本気度見る為?バカな契約しようとしてないかチェックする為?いずれにせよ、この準委任契約書の作成についてもまた別の記事でご紹介する予定です。

あと肝心なことが一つ。
この段階で融資の金額減らされそうだと知りました。なんでも「コンサル業は基本的に経費かかんないからランニングコストは3ヶ月分位しか出ないよ〜」ってことらしく…。ただし、これ保証協会の標準的な基準なのか私の状況による事なのか分かりませんので、参考程度に記憶しておいて下さい。

まぁ減額は当然残念ですし、そもそも自治体の面談の結果、わざわざ増額して計画書作り直したのに減らされるのはヒドイ。しかしそんな経緯保証協会は知る由もなく、言ってる事もまぁ筋は通ってます。ぐずぐずゴネず「ヘイ。わかったでゲス」と受け入れました。それ以外選択肢ないですしね。

7.ついに融資契約。通帳に刻まれた数字を見て思うこと

保証協会の面談から2週間程度で審査結果と最終的な融資額が確定し、晴れて融資決定!これで私も御上からお墨付きを得た新人事業者となりました。信用金庫で申込書書き込んだら、1週間程度でお金入ってきました。私にとってはそこそこ大金です。あっという間に無くなりましたが…。

2ヶ月半の鍔迫り合いを終えて、僕が本当に伝えたかったこと

「事業計画書」は、独立後最初のプレゼン資料だった

私は創業時点ではお客さんゼロ。この状態で事業の実現や継続の可能性を判断するには、事業計画書を見るしかありません。ドラマ半沢直樹でも、企業への融資判断の場面で事業計画書をチェックする場面がよく出てきましたよね。なので、多くの企業と触れ合い山程事業計画書をチェックしているであろう金融機関担当者が、納得出来る事業計画書でなければ融資可能と判断されなかったでしょう。

この事業計画書の記事に書いた通り、文字通りの「初めてのプレゼン資料」となった訳です。

甘く見ていた「申請金額」のルール

希望金額が通るとは限らない

私の場合、自治体側のルールで融資の申請額はMaxで(初年度1年分のランニングコスト+立ち上げ時のイニシャルコスト)の2/3と決められてましたので、その金額で申請しました。しかし(上記の通り)実際の融資額はそこから減額されました。融資ですから当然諸々の与信の結果で金額が決まりますので、満額通る前提で予算を計画するのは危険ですね。

支払済みのコストには融資してくれない

これも考えてみれば当然なんですが、開業前の計画時にはあまりピンときてなかったんですよ。例えば、早めに準備しようとして開業前や開業直後の融資通る前に掛かったコストは、会計上「開業費」「経費」として計上出来るものの、融資の対象の費用には入れてもらえません。もう買えてるんだからお金借りる必要ないですもんね。なので、すぐに必要ない物は焦って買わず、融資の対象として申請した方が良いかも知れません。

最終結論:それでも僕は、融資を受けて良かったと思う

という事で、初動から融資実行まで約2ヶ月半程の作業。こちらはあくまでお金借りる側ですから、指示された事を粛々と速やかに実行していくだけでした。どの手続でも、事前に確認したり調べたりしていた内容と、実際手続き始めてから言われる事が微妙に違ったりするので、おおらかな気持ちで受けて立ちましょう。

一通り手続きして、最終的に思ったことは、

  • 自治体の手続きは何かと面倒
  • 金融機関との事前の連携は大事
  • 事業計画書はしっかり作っておこう
  • なにより自治体のあっせん融資は超お得

という事です。

自己資金が潤沢なら無理に借りる必要ないですが、かなりの低金利・低保証料で借り入れ出来るチャンスなので、面倒くさがらず自治体のあっせん融資を申し込むのも良いのではないでしょうか?自治体・銀行(信用金庫)・保証協会と、3つの審査をくぐり抜けた実績って、今後の事業で融資受ける際にもプラスになる様ですよ。一丁前の起業家になった気分も味わえますし、達成感も味わえますし。

ではまた次回、お元気で。

今回の感想

金は天下の回りもの

今回のおすすめBGM
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次