なぜ僕は、メガバンクではなく「地元の信金」を選んだのか?
ここ数年で貨幣の形が大きく変わってきました。貝殻から硬貨やお札+銀行口座へと引き継がれた主役の座も、電子マネーやデジタル通貨の出現で遠くない未来に交代しそうです。最近買い物で現金使う機会ほんと減ってますよね。私は新紙幣にまだ慣れておらず、先日1万円札入れた筈の封筒に間違って千円札入れて提出してしまい、大慌てでお詫びして再提出しました。どうせ新しくするなら、もっと赤とか青とか分かりやすく色分けしてくれりゃいいのに…。
ただし時代が変われど、ビジネスの場での銀行口座は単にお金の保存場所としてだけでは無い、口座開設の手続きを経た信用という面の存在意義もあります。今回はそんな事業用口座開設時の手続きとそれに付随して起こった出来事のご紹介です。事業用口座開設の際の参考にして下さい。

この記事でご紹介した様に、私は近所の信用金庫で開設しました。
【決め手は3つ】僕がメガバンクではなく信金を選んだ現実的なメリット
1.自治体の創業融資のあっせんを受けるため

上記の記事でもご紹介した自治体の創業融資のあっせん(平たく言うと保証料や金利建て替えてくれる)を受ける為には、いくつかの指定された金融機関で手続きする必要があります。直接担当の方に聞いたわけではないですが、当然融資の与信上その金融機関に事業用口座を持っている事が前提だと思います。因みに自治体で指定している金融機関にネットバンクは入ってませんでした(メガバンク・地銀・信金・信組のみ)。
2.メガバンクより審査通り易そうだから
これも以前の記事に記載した通りですね。資産たくさん持ってたりすでに売上上げている事業者なら問題ないと思いますが、私のような「金なし売上なし」の人間は少しでも落とされる可能性低そうな所で申し込んだ方が安全です。一般の個人口座なら審査落ちるとか考えもしないんですけどねぇ。
3.家から一番近い銀行(信用金庫)だから
あまり深く考えず最寄りの信金選んだのですが、開設後これが意外と馬鹿にならないなと感じました。開設前後何かと手続きで担当の方とやり取りしなければならなかったのですが、歩いて数分なので時間と交通費(と面倒くささ)がだいぶ節約出来ました。
次は開設手続きのスケジュールです。1年以上前のことなので全力で記憶を呼び戻します。
【実録】1ヶ月間の全記録。信金の事業用口座、開設までの道のり
2023年10月〜12月
創業融資について事前の相談。事業計画書や今後のスケジュール感を共有しときました。
2024年1月4日:開業届提出
土曜日でしたので金融機関はまだ休みですね
2024年1月中旬:担当者と開設準備
書類の提出等を店頭で行うので、担当者とスケジュール調整しながら準備しました。用意した書類は、身分証明書以外に事業を証明できるもの(開業届や自社HPのキャプチャー)。あと、自分の持っている資産を証明できるもの(銀行口座や証券口座の残高のキャプチャーなど)も提出した記憶があるのですが、これはもしかしたら創業融資申込み時の書類だったかも知れない…。ごめんなさい記憶が曖昧です。
とにかく先方から指定された書類を準備しましょう。因みに銀行印は個人名を指定されました。せっかく屋号の印鑑準備したのに…。この準備に何ラリーかやり取りしました。
2024年1月末:店頭で口座開設手続き→数日後口座開設
開設手続きは店頭で行います。調印式ですね。
以上、開業前の相談期間除いても約1ヶ月間掛かりました。書類さえ用意できればOKなのかと思いましたが意外と時間かかりましたね(同時に融資を申し込む前提で相談してたのでその影響があるかも)。まぁ口座よりもその後の融資の方が大本命なので、一先ず口座開設に関しては担当の方の指示に従い、粛々と言われたことを実行していきました。ここで心象悪くしても何も得ありません。多少手続きに時間かかっても大人しくしときましょう。
続いて、口座開設で起こった出来事です。
これが「お付き合い」の現実。僕が勧められるまま契約したもの全リスト
出資金が必要
信用金庫は地域の中小企業や個人事業主などが「会員」として出資することで成り立っているんだそうです。なので一般の預金口座の利用だけなら不要ですが、事業用口座で融資を受けるような場合出資金が必要らしいです。生協やら共済やらと共通のシステムですね。この辺は金融機関のルールですから素直に従いましょう。因みに私は1万円で勘弁してもらいました。
担当の方から何かと連絡来る
これも金融機関や担当者によりけりだと思うのですが、開設前後(だけ)こまめに担当の方から連絡きたり、なんなら用事や渡すものが有れば郵送やメールではなく自宅に訪問してきます(通帳やキャッシュカードの引き渡しなど)。おそらく信用調査兼ねてるんでしょうね。別にやましい事無いし会社辞めてからこちとらほぼ引きこもりなので、丁寧にお迎えしました。
ただ、私一人暮らし且つ人が来ることが想定されていない生活様式なので、来客用の椅子やスリッパが無く慌てて用意しました。皆さんも部屋をきれいに万全の体制でお迎えして下さい。
勧誘その1.クレジットカード作った
信用金庫の職員さんとは言え、セールスのノルマは厳しいのでしょう。私が勧められたのは「事業用のクレジットカード」と「プライベート用のクレジットカード」の2枚。事業用のカードは別途作っていましたし不要っちゃ不要なのですが、これもこ゚縁。持ちつ持たれつと思い素直に申し込みました。ほら、もしかしたら信用金庫からお客さん紹介してくれたりするかも知れないでしょ?…まぁ未だに紹介してもらったことなんか無いので、そろそろ解約するかも知れませんが。
勧誘その2.定期預金入った
これも勧められました。毎月3万円ほどの積み立てて手を打ちました。「納税するお金貯めとくと思えば別に負担になりませんよ」と言われてなるほどと思ったものの、未だに業績黒字にならず、納税したくても出来ません。定期積み立ての為に事業主借が増えるという意味のない状況が続いています。これも満期で解約ですね。
勧誘その3.法人会に入った
これも勧められました。地域密着の信金ならではでしょうか?私恥ずかしながら商工会は知っていたものの、法人会なる組織の存在は知りませんでした。どうやら税務署の管轄毎に存在する中小企業の集まりで、納税に関する諸々の活動をしているらしいです。これもわたし的に入るメリットなさそうですが付き合いで入りました。
そろそろお気づきかと思いますが、私以外と流されやすいんです…。因みに法人会の年会費5000円程。これもどっかのタイミングでしれっと退会しちゃうかも…。職員さんごめんなさい。
一通りの勧誘が終わるとその後は何もなし
大儲けしてじゃんじゃん口座に入金されてるとか、逆に口座振替不能になっているとかだとなんか連絡来るんですかね?
そして感想です
【本音】で、結局信金で口座作ってどうだった?50代男の正直な感想
めんどくさい
信用金庫がと言うより事業用口座という意味です。昨今のマネロンなどへの対応もあり審査に係る書類の用意や審査期間がそれなりにあります。一般口座を解説するのとは訳が違うので、心に留めおきましょう。
口座名義が個人名になってしまって悲しい
金融機関によってだと思うのですが、私の開設した信金では事業口座とは言え個人事業主の場合は口座名義はあくまで個人名だそうです。せっかく屋号考えたので屋号の口座を持ちたかったのですが…。
ただこうなると「だったら個人名の一般口座を事業用に開設・使用しても一緒じゃね」と思うのが人情ですが、どうやら金融機関によっては口座の利用規約上個人用口座の事業利用はNGとなっている事もあるらしく、きちんと金融機関に「この口座は事業で使ってるのね」と認識して貰う必要がある様です。もしすでにお持ちの個人口座を事業でも使用する場合は、一度口座お持ちの金融機関に確認することをおすすめします。
ちょっとオールドスタイル
メガバンクや昨今のネットバンキングと比べるといろんな意味で伝統的。昭和の金融機関の匂いが残っています。ネットバンキングも使用料(月1000円程)が掛かったり、PCの認証手続き大変だったり、PCの設定の説明書にWin8の記載があったり。個人的には昔の日本っぽくて嫌いじゃないんですけどね。
※おまけ GMOあおぞらネット銀行の事業用口座開設
じつはこっそり(でもないか)ネットバンキングの事業用口座も同時に開設しました。フリーランスの事業用口座としてよく宣伝されているGMOあおぞらネット銀行です(今のところ未だ使用する用途がないのですが…)。
開設手順
個人用口座を開設後事業用口座を申し込むことになります。なので結果的に口座2つ出来てしまいました。ちょっと面倒ですね。
開設までの時間
- 最初の個人用口座の申し込み
- 個人用口座の開設
- 事業用口座の申し込み
- 事業用口座の開設
ここまでトータルで1週間ちょっとです。信金と比べるとだいぶ早いですね。
開設の手段
必要書類は信金で用意したものの流用で事足りた筈。勿論全てオンラインで手続き可能。誰とも会話してません。
不要な個人用口座は作られてしまったものの、手続きとしては圧倒的に簡単かつ早いです。融資や地元の付き合いなど不要、且つ私のように言われるがままに余分な契約させられたくない!という方には、事業用口座はネット銀行というのもありかも知れません。取引先の信用度云々に関してはなんとも言えませんが、よっぽど古い体質の企業や歴史ある企業が取引先じゃない限りは、今どきはあまり心配する必要は無いのではないでしょうか?
結論:面倒な「儀式」は、独立の第一歩だった
以上事業用口座作成の顛末です。それなりの手間はかかるものの、信用金庫との色々なやり取りは否応なしに「これから自分で事業を開始するんだ」と意識させられます。「なんかビジネスっぽい会話しているな/なんかビジネスっぽいやり取りしているな」って。こんな手間も、創業の儀式として経験しておいて損はないと思いますよ。
ではまた次回、お元気で。
この先も信用金庫が生き残っていけますように
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