「BtoBの商談で、ど素人が自作した名刺とパンフは通用するのか?」
メールと電話で62件の地方自治体に営業をかけ、37件の面談(アポ率60%)を獲得した私。その対面商談の場で、初対面の役人の方々に差し出したのは、この記事で自作した名刺とパンフレットでした。
「デザインセンスがないからプロに頼む」というのは短絡的です。デザインとは「どう伝えるか」というマーケティング戦略そのもの。必要なのはPowerPointとネット印刷のラクスルだけです。
本記事では、1枚8円の低コストで「プロのふり」をした、コスパ最強のツール自作ノウハウを全公開します。
【プロローグ】「心地よい音は茶色い」。デザインに込めた理屈じゃない感情の話
今から5年以上前、マイケル・ジャクソンの「Beat It」のギターソロや、よっちゃん(野村義男)に似ているでお馴染みのギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレン(ヴァン・ヘイレン)が亡くなりました。
この御仁、曲作るのが上手かったり演奏中ずっとニコニコしていたり、何よりギターがべらぼうに上手かったりと色んな面で有名な人なのですが、ギターの音にも特徴と拘りが有りました。
ハードロックの人なので、基本的には所謂歪んだギュワーンっていう誰もが想像するあの音なんですが、何と言うかあまり凶暴すぎず不快で無く、厚みがあって伸びもあるどこか温かみのある心地よい音なんですよね。まぁ今でこそよくある音に聞こえますが、その「音」を作った元祖の人なんです。
そして、この彼のギターの音色は「ブラウンサウンド」と言うニックネームで呼ばれています。
聴覚の情報(音)に視覚の情報(色)の名前をつけるのにピンとこない方も居るかもしれませんが、私は彼の音が「茶色に聴こえる」って表現しっくりくるんですよね。実際、色んな曲(特に好きな曲)毎に、なんとなく色のイメージを持ってたりします。この曲は「青と緑」、この曲は「赤」みたいな。アースカラーとかメタリックな色とか、もっと漠然としたイメージの時もあります。
なんで音と色が結びつくのか?学術的な事は判りませんが、私なりの解釈だと
「情報(例:心地よい音)が脳に伝わってその時に何某かの感情(例:心地よい)が生まれる→同じ感情が生まれる別の情報(例:心地よい色)と結びつく」
って事だと解釈しています。そしてこれを応用すれば、目的(何らかの感情を引き出す)を達成するための手段として、色んな情報(音や色や感触などの五感)を使うことが出来るんだと思うんですよね。よくある例で言うと「機械=硬い=冷たい=怖い」「生き物=柔らかい=温かい=優しい」とかね。
と、前置きが長くなりましたが今回は名刺やパンフレットの作成方法についてのお話です。
どちらも視覚で自分(とそのサービス内容)を伝えるためのツールです。何の為に作成するのか?それを見てどんな気持ちになって欲しいのか?どんな行動を起こして欲しいのか?と、目的を明確に定めて作成しなければ無駄になってしまいます。しかし出来れば(いつも通り)出来るだけ低コストで作成したいところです。なので私は、
- 自分でデザイン
- それをネット経由で業者に印刷依頼
という方法を選びました。やってみると意外と簡単でそれなりの物が作成できました。以下がその顛末です。
フリーランスの名刺戦略|ネット全盛期にあえて「紙」にこだわる理由
ビジネスの常識?独立直後の50代が名刺を作成する目的
「今どき紙の名刺なんて…」と思う方もいるかも知れませんが、2026年現在、初対面の方とは「名刺交換」するのが日本のビジネス習慣の常識です。年賀状や暑中見舞いは出さない私でも、さすがに名刺は作成しない訳にはいきません。本格的に活動をはじめた時にすぐ配れる様、開業してから1ヶ月後には手元に用意完了しました。
無名の個人事業主が「肩書・資格・SNS」を名刺裏面に詰め込んだワケ
一般的な名刺だと最低限、会社名(屋号)、役職、名前、住所、電話番号、メールアドレス、会社のHPアドレスあたりは必須だと思いますが、私の場合無名オブ無名、ただ屋号や名前を見せただけでは何者か理解されませんので、少しでも人となりを知ってもらう為に、下記のような情報も記載する事にしました。
- 肩書(◯◯コンサルタント)
- 保有資格
更に、名刺交換後少しでも連絡を取ってもらい易くする為に、名刺の裏面にSNS(Instagram、Facebook、X)のアドレスも記載しました(LinkedInは当時まだアカウント取得前だったので未記載)。
※ちなみにHPアドレスとSNSのアドレスは、QRコードで記載しています。
デザイン素人でもプロ感を出せる。「ロゴ」と「コーポレートカラー」の鉄則
素材や形など、今どきは色々凝った名刺も見かけます。デザイナーとかクリエイターとかセンスが己の価値につながる職業の場合は、名刺で個性やセンスを表現するのも大事でしょう。私の場合はそういった類の仕事ではないので、下記をオリジナルで他はごく普通の名刺を作成しました。
- 屋号のロゴ
- コーポレートカラー
この2つはイメージ戦略などマーケティング的な意味合いで重要となります。HPや下記のパンフレットなど、すべてのツールでビジュアルのイメージを統一しておくことが重要です。これを意識するだけでグッとプロフェッショナル感が増します。
「コーポレートカラー」で検索すると、色が与える心理的な効果が色々出てきます。自分が提供したいサービスや商品のイメージから色を決めてもいいですし、単純に自分の好きな色でも良いかもしれません。何れにせよ、今後のあらゆるビジュアルをその色で統一しましょう。因みに私は親しみやすさを与えると言われる「オレンジ」にしました。吉野家と一緒です。
1枚8円の高コスパ。「ラクスル」での名刺自作をおすすめする3つの理由
名刺作成でネットを検索すると、印刷からデザインまで一括で請け負ってくれるお店がたくさん出てきます。もちろんそういったプロにお任せした方が簡単にしっかりしたものが作成出来るのでしょうが、いつもの如く少しでも安く作成したい私はラクスルで作成しました。
冊子・カタログ印刷ならラクスル何故かと言うと、
- 来店せずネットで注文可能
- ラクスル内で用意されているデザインのテンプレートを元に作成可能
- 何より安い(100枚印刷で送料込み800円弱/作成当時)
だから。まぁ名刺の場合デザインと言っても文字をどこに記載するかのレイアウトを考えるくらいですし、特に凝った事をしたい訳では無いですからね。自分でも何とか作成できるでしょう。100枚配り終われば、また改めて作り直しても良いですしね。
【図解】ラクスル×パワポで名刺を自作する5つの手順
下記の手順で作成しました。PowerPointで文字や画像を入力できる程度のスキルのある人なら、誰でも簡単にできるでしょう。
- ラクスルでアカウントを作成(もちろん無料)
- ラクスル上のデザインテンプレートから、気に入ったものを選ぶ
- 名刺上で表記させる文字を入力する
- 屋号ロゴの画像(.jpg もしくは.png)を挿入する
- SNSのロゴの画像とQRコード(.jpg もしくは.png)を挿入する
- 全体のレイアウトを整える
上記で印刷用のデータ作成完了です。もちろん全てラクスルのサイト上で作業できます。
屋号のロゴはHP作成時に作ってもらっていましたし、SNSのロゴは各ブランド毎に公式のDLページがあります(利用条件があるので注意)。QRコードは「QRコード_作成」などで検索すると、無料のQRコード生成サイトが出てきますので、jpgやpngでDL可能なサイトで作成しましょう。
名刺の場合、フォントの大きさや配置のバランスが整っていれば問題ないでしょう。そんなにまじまじと見られるものでもないですしね。
完成後の誤算。「2年たっても名刺が配り終わらない」現実と向き合う
こうして1枚約8円の低価格で名刺が作成出来ました。
何の変哲もない名刺ですが、デザインセンスの希薄な私にとっては十分な出来です。私にとって名刺は、情報さえ伝えられれば目的達成ですからね。
あえて誤算があったとすれば、あまり人に合う機会がないので約2年たった現在でも大量に残ってしまっている事位でしょうか…。いつ配り終われるんだろう?
営業パンフレットの自作|Web全盛期に対面ツールが必要な理由とは
皆さん御存知の通り、パンフレットとは企業や商品(サービス)の情報をまとめた冊子の事。よく考えると、これらの情報を世間様にお伝えするツールって既にご紹介済みです。そう、ホームページですね。
まぁ、結論から言うと、
- インターネットで情報を伝える=インバウンド(待ちの営業)=ホームページ
- 対面で情報を伝える=アウトバウンド(攻めの営業)=パンフレット
と使い分けるって寸法です。フィールドセールスで必ずパンフレットが必要かと言えばそうでは無いのでしょうが、私の場合なにしろ知名度も実績も無い「ゼロの男」ですからね。自己紹介をする時の為に、念には念を入れて作成することに決めました。
パンフレットには「顧客のメリット」を書く。解像度を上げる文章術
名刺が文字通りの「情報」を伝えるものだとしたら、パンフレットはもうちょっと複雑です。
商品・サービスの情報を伝えると言う事は、読む人にとって「そのサービスが自分にどんな得をもたらすのか」をイメージしてもらわないと意味がないという事です。
なので、単純に「こんなスキルがあります」とか「こんなサービスしてます」という情報だけでなく、その先の「顧客が得られるメリット」にまで言及したい所です。
また、折角HPとは別途作成するのですから、HPには載せていない細かい情報なども入れてみました。こういった情報の取捨選択はマーケティング的な視点で考えましょう。
デザインは「シンプル」一択。素人がA4三つ折りで統一感を出すコツ
紙のパンフレットと言っても、リーフレットの様なものから製本された冊子のようなものまでいろんなバリエーションがあります。予算と載せたい情報の量を鑑みてどんな形式にするか決めましょう。
私は「3つ折りのA4サイズ」にしました。この形式だと折り曲げるだけで製本出来るので手間がかからず安いし、3つ折りで両面に印刷するので表紙含めて合計6面に印刷できます。これだけの面積が有ればかなりの文字量表示できますね。
デザイン面は、ロゴの使用やコーポレートカラーの使用など名刺と同様です。パンフレットの場合文字数が多いので、色使いやフォントの選択なども重要になってきます。
ひとまず色はあまり使わず(白・黒以外は原則コーポレートカラーのみ)、フォントはプレゼン資料などでもよく使われる「Noto Sans JP」で無難に作成しました。ロゴや色だけでなく、フォントも「コーポレートフォント」的なものを決めておくのも良いかもしれませんね。
ラクスルかプリントパックか?100部1.1万円で発注した比較と感想
名刺はラクスルでしたが、こちらは同じくネット印刷の大手プリントパックで作成しました。印刷物の作成なんて初めての経験ですから、折角なら出来るだけ色々なサービスを使ってみたくなったので。
まぁサービス内容はラクスルとほぼ同じでしたので、どちらを選ぶかはお好みでって感じです。ちなみに費用は100部印刷で約11,000円。印刷物の仕様や部数などによって金額が変わるので、ラクスルと比較する場合は条件を統一して比較してみて下さい。
テンプレートは神。PowerPoint(パワポ)で入稿データを作る手順
ラクスルの名刺作成とは若干手順が変わります。
- プリントパックでアカウントを作成(もちろん無料)
- プリントパックのサイト上のデザインテンプレートを、自分が作成できるファイル形式でDL(私は.pptx)
- 自分のPC上でテンプレートを元にパンフレット作成
- 上記3をプリントパックの自アカウントページ上にアップロード
クラウド上で作業するのではなく、自分のPC上で作成したパンフレットのデータをウェブ上にアップロードする形式です。
私は慣れているPowerPointで作成しましたが、WordやPhotoshop、Illustratorでも作成出来ます(因みにデータのアップロードファイルはPDF形式が推奨されている)。作成自体は特に難しくはありません。ただしこちらは名刺と違い面積が大きい分、デザインセンスが大いに問われます。
自作の限界?私のパンフレットが「プロ感ゼロ」になってしまった理由
ひとまず「文字データ」として必要な情報を盛り込んで作成しました。ただし目的(このパンフレットを見て仕事を頼みたくなってもらう)が達成できたのかは不明です。
なぜならそもそもあまり配れていませんし、お渡しした方々からお仕事頂いたことが1回も無いので…。ん?と言う事は目的達成できていないってことじゃん!
さらに満足できなかったのが見た目。何と言うか明らかにプロがデザインしたパンフレットとは違うんですよね。
この素人感丸出しのパンフレット、個人的にはあまり心地よくないので次に作る時にはプロに作成依頼したいと思ってるんですが、なにしろまだ在庫が余りまくってます。実は私のビジネスにはパンフレットって必要無かったのかもしれません。
今後どうするかはもう少し様子を見てから決めようと思っています。何しろまだまだ検証が足りていないので…。
まとめ:デザインとは「どう伝えるか」。自作かプロ依頼かを見極めよう
という事で、HPやSNSなどのデジタルな自己紹介とは違う、古式ゆかしい自己紹介ツールである名刺とパンフレットを、自分で安価に作成する方法をご紹介しました。
どうせ作るなら、自身の事業のブランディングに合わせ、HPやSNSなどあらゆるツール・メディアと統一感をもたせたものを作成しましょう。しかし、デザインセンスに自信のない方は、無理せずプロに依頼するのも無難かも…。
▼ ちなみに、この記事で自作した名刺とパンフレットを持参して、自治体との「対面商談」に挑んだリアルな営業記録はこちら

▼ 名刺やパンフは自作した私が、ホームページ作成には「20万円」を投資してプロに頼んだ理由

ではまた次回、お元気で。
情報伝達のコツは、客観性+感情

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